みんな大好きなパン。自宅で作るとなるとハードルが高そうな食べ物ですが、基本的なパンはたった4種類の素材からできていることをご存じでしょうか? シンプルにできるものですからこそ、奥が深いという面を持っているのもパンの特徴です。そこで今回は、パン作りの材料や素材についてご紹介します。
パン作りの基本的な材料は4つだけ!
パン作りをする際にまず思い浮かぶのが「なんだか作るのが難しそう」ということかもしれません。実はパンを構成する基本的な材料はたった4つだけです。その材料とは
- 小麦粉
- イースト
- 塩
- 水
たったこれだけです。この4つの材料を混ぜ合わせ、専用の機械を使って焼き上げるだけでパンは完成します。とはいっても材料の混ぜ方や、材料の細かな種類、焼き上げ方によってまったく違ったパンができあがるのは言うまでもありません。まずは基本材料のご説明から始めます。
パンの主成分「小麦粉」
パンの主成分である小麦粉は、パンの味を左右する最も大きなものです。用いる小麦粉の特性によってパンの膨らみ具合や、歯切れ、柔らかさが左右され、パンの仕上がりを決める重要な役割を果たしています。
小麦粉に含まれるタンパク質という物質は、水と合わさることによって「グルテン」というものが生まれます。 パンを作る際に発酵という作業を行いますが、発酵するとガスが生成され、生成されたガスをグルテンが抱き込むことによってパン独特のふわふわ感が生まれます。タンパク質が多い小麦粉を選ぶほどグルテンがたくさん作られることになりますので、よりふわっとしたパンに仕上がるというわけです。
ふわふわの秘密「イースト」
イーストは酵母とも呼ばれ、砂糖や蜂蜜などの糖分と組み合わせると「炭酸ガス」 を発生させる特徴があります。この炭酸ガスを先ほどご紹介したグルテンが覆うことによって、パンのふわふわ感が生まれます。イーストにもさまざまな種類があり、イーストによってパンの食感や味わいが変化します。自家製イーストを用いたパンもおいしいです。
生地のメリハリに「塩」
塩はパン生地に塩分をもたらし、味気を良くする働きがあります。塩を入れなくてもパンを作ることはできますが、味にメリハリをつけるのであれば入れた方がいいでしょう。また塩は他にもグルテンを引き締め、生地にコシをつける働きをします。塩を入れずに生地を作りますと、生地を練る工程の際にコシが出ずぺたんとなり、うまくこねられません。
全てをうまくまとめる「水」
小麦粉、イースト、塩をつなぐ役割をする水の存在です。また、小麦粉に含まれるタンパク質の中からグルテンを生成するには水が欠かせません。水も軟水か硬水とさまざまなタイプのものに分けられます。水の種類によってパンの食感や味が変わります。
パン作りのバリエーションを与える材料は?
パン作りの基本となる材料は、小麦粉、イースト、塩、水の4種類であることはご説明しましたが、パンには食感も味わいも実にさまざまな種類があります。バリエーションに富んだパンは、基本材料にさまざまな材料を組み合わせることによって作られます。いくつかご紹介します。
砂糖
パンに甘みを与え、焼き色をつける働きがあります。白いパンを焼きたい場合は上白糖がいいでしょう。洗浄・濃縮・ろ過といった工程を経て、不純物やミネラルを取り除いてある白い砂糖になります。こんがりした食感のパンを焼きたい場合は三温糖になります。三温糖とは上白糖を精製したときの糖液を何度か煮詰めてカラメル化させて作っているため、香ばしさがあります。 仕上げに使うのは粉砂糖です。粉砂糖はグラニュー糖などの純度の高い砂糖を粉にした砂糖になります。グラニュー糖をミキサーにかければ粉砂糖になりますので、ご自宅でも作ることができます。
バター
バターを生地に混ぜますと、コクとうまみが出ます。グルテンを強化する働きがありますので、よりふんわりとしたパンができあがります。
牛乳
水の代わりに牛乳を用いたり、水と牛乳を半分に割ったりします。パンにコクが生まれ、焼き色がつきやすくなるのが特徴です。
卵
卵パン生地に混ぜるとコクや風味が生まれます。パンの表面に溶いた黄身を塗布して艶出しに使う場合もあります。
小麦粉選びは最も大切
パンの主成分である小麦粉選びは、パンを作る上で最も大切な工程であると言われています。使用する小麦粉によってパンはまったく違ったものができあがるからです。パンに用いる小麦粉は、強力粉、薄力粉、中力粉、全粒粉、ライ麦粉、米粉などがあります。用いる小麦粉によって、食感や歯切れが異なりますので、作りたいパンに応じた小麦粉選びをしましょう。
水によって仕上がりに影響する
水の種類によってパンの仕上がりも大きく変わります。日本で作られるパンの多くは軟水を用いて作られます。軟水を用いて作られたパンは、素材の味が生き、それぞれの素材がうまく交わりやすいのが特徴になります。クセがなくまろやかな味わいです。逆に硬水で作られたパンはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれているため、独特の味わいになります。
まとめ
パン作りの材料についてご紹介させていただきました。パン作りは一見難しそうに思えますが、実はたった4つの材料でできているとてもシンプルな食べ物です。しかし、用いる素材によってまったく違ったものができあがるため、それが付加価値として味や食感に大きく影響を及ぼします。そのためお店で買うパンは、各お店の工夫や特徴が大きく反映されたものになるのです。
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